App Ready

アプリに使う前に知っておくアイコンのライセンス実務ガイド

文 · Nomadic Jeikei · 2026年7月24日 更新

オープンソースのアイコンは「無料」という言葉から、条件なしで使えると誤解されがちです。実際にはライセンスごとに著作権表記の義務が異なり、特にCC BY系はアプリ内にクレジットを入れる必要があります。この記事では、アイコンによく使われる4つのライセンスの違いと、商用アプリで問題なく使う方法を整理します。

アイコンによく使われる4つのライセンス

アイコンセットに付くライセンスは、ほとんどが4つのうちの1つです。4つとも商用利用を許可しますが、「どこに、どれだけ表記するか」が異なります。

ライセンス商用利用表記義務
MIT可能ソースに著作権表示を保持(UI表示は不要)
ISC可能MITと同じ、文言がより簡潔
Apache 2.0可能著作権+ライセンス写し、NOTICEがあれば同梱
CC BY 4.0可能制作者クレジット・リンクを見える形で表記

重要な区別: MIT・ISC・Apacheは「ソース/配布物の中に」表示を残せばよいのに対し、CC BY 4.0はユーザーに「見える場所に」クレジットを入れる必要があります。アプリの設定・情報画面に出典を書けないなら、CC BYアイコンは避けるのが安全です。

MIT / ISC source notice Apache 2.0 + NOTICE file CC BY 4.0 visible credit attribution burden →
左へ行くほど表記は軽くなります。MIT・ISCはソース表示のみ、CC BY 4.0はユーザーに見えるクレジットが必要です。

ライセンスごとに実際にやること

MITとISCは最も扱いやすいです。原著作権表示をプロジェクトのどこか(ライセンスファイル、オープンソース表示画面など)に保持すればよく、ユーザーに見える画面に名前を出す必要はありません。

Apache 2.0はここに2つが加わります。ライセンス全文の写しを一緒に配布し、原本にNOTICEファイルがあればその内容を含める必要があります。コードライブラリでよく見ますが、アイコンセットにも適用され得ます。

CC BY 4.0は最も条件が重いです。制作者名、原本へのリンク、ライセンスの表示、そして変更したならその事実まで、ユーザーに見える形でクレジットを付ける必要があります。ウェブサイトならフッター、アプリなら「オープンソースライセンス」画面が一般的な位置です。

LucideとIconifyはどうか

App ReadyのICONSが扱う2つのソースは性格が異なります。Lucideはセット全体がISCライセンスなので、商用アプリにUIクレジットなしで使え、ソースにライセンス表示を残すだけで済みます。アイコンのライセンスを初めて扱うなら、Lucideが最も安全な出発点です。

一方Iconifyは、数百のセットを一か所に集めた「ハブ」です。セットごとにライセンスがバラバラなので、Iconifyにあるという理由だけで条件が同じにはなりません。幸いHeroicons・Tabler・Phosphor・Bootstrap Iconsなど人気セットの多くがMIT/ISCで扱いやすいですが、使う前にそのセットのライセンスを必ず確認してください。

  • セットページ上部や紹介欄に表記されたライセンス名をまず確認する
  • MIT・ISCならソースに表示を保持、ApacheならNOTICEの有無を確認
  • CC BYならアプリ内にクレジットを入れる場所があるか検討
  • 確信がなければMIT/ISCセット(例: Lucide)に置き換える

まとめ — 安全に使う3ステップ

  • 1. アイコンを選ぶ前に、そのセットのライセンスを確認する
  • 2. MIT・ISCはソース表示、ApacheはNOTICE同梱、CC BYは見えるクレジット
  • 3. プロジェクトに「オープンソースライセンス」画面を1つ置き、表示をまとめる

ほとんどの個人開発プロジェクトは、MIT・ISCアイコンだけで十分です。ICONSでセットごとのライセンスを確認し、必要なアイコンを選んでSVG・PNGでダウンロードすれば、ライセンスの心配なくアイコンの準備を終えられます。

よくある質問

「無料」アイコンなら表記なしで使えますか?
ライセンスによります。MIT・ISCはソースに表示を残せばUI表記は不要ですが、CC BY 4.0はユーザーに見えるクレジットが義務です。「無料」と「条件なし」は違います。
Lucideアイコンは商用アプリにそのまま使えますか?
はい。LucideはISCライセンスで、商用利用が許可され、UIにクレジットを出す必要はありません。ただしプロジェクトのソースのどこかにライセンス表示を残すのが原則です。
Iconifyにあるアイコンはすべて同じライセンスですか?
いいえ。Iconifyは異なるライセンスを持つ数百のセットを集めたハブです。セットごとに条件が違うため、使用前に該当セットのライセンスを個別に確認してください。

筆者について

Nomadic Jeikeiは、App StoreとGoogle Playにアプリをリリースしてきた個人インディー開発者です。TapTap Golf(Android・Wear OS)とMutual Loopをリリースし、無料ツールApp Readyを自ら開発しています。これらのガイドは、公開準備を実際に経験してまとめたものです。